世界自然遺産 

    
 
 


 ノルウェーの5大フィヨルドのうちの
 1つがソグネフィヨルドです。
 200km続くソグネフィヨルドの、
 枝分かれした最奥部が、ネーロイフィヨルドで、
 ユネスコ世界自然遺産となっています。
 
 私たちは、そこを2時間かけてクルーズして、
 フィヨルド観光は終わりました。
 あとはバスに乗り換えて、駅に向かいます。
 
 ところがフェリーを降りると、
 思ったよりも広いバスロータリーで、
 20台以上、バスが止まっています。
 
 どれに乗ったら良いの?と、
 焦って、1台ずつ近づいて、
 フロントガラスに表示してある会社を確認しますが、
 どれも違います。
 次々と客を乗せ、全てのバスは出発してしまいました。
 
 あとは、100人くらいの人がたむろしている
 場所しかありません。
 どこかのツアーだと思っていましたが、
 近寄ると、小さな看板がありました。
 私たちのチケットは、その会社名と一致します。
 
 どうやらここだったようですが、
 私たちは、ウロウロしていたので、最後尾です。
 こんなに人が乗ったら、ぎゅうぎゅうです。
 これから1時間の道のりを、立って行くのでしょうか?
 
 屋根のないバス停で、どしゃ降りの中ですが、
 もうそこを離れたら、置いて行かれます。
 やっと来たバスに順次乗り込みますが、
 私たちは、積み残されました。
 どしゃ降りの中、呆然と佇むうちら。
 
 だいたい、運転手に現金で払っている人が、
 大勢いるのです。
 チケットなしの人がいるから、
 バス会社が何人乗せるか把握出来ていないのです。
 
 しばらくすると、もう1台来ましたが、
 私たちはまたもや、積み残されました。
 どしゃ降りの中、無言になるうちら。
 
 もうしばらくすると、もう1台来ました。
 今度は、乗せてもらえ、余裕で座れます。
 やれやれ、焦ることはなかった。
 バスはどこかに隠れていて、
 必要なだけ出動するシステムになっているようです。
 
 そのバスは、どしゃ降りの中、
 細いヘアピンカーブを回って、大冒険のバスでした。
 渓谷や滝の見どころで止まってくれるのですが、
 雨が激しく、怖いだけでした。
 
 バスを降りたあとは、
 特急列車の指定席に乗り込み、
 無事にベルゲンまで帰りました。
 帰りは、車窓の景色を楽しみました。
 行きにこれが見れなかったことが、悔やまれます。
 
 しかし、フィヨルド観光は、私たちには難しすぎました。
 フィヨルドを楽しむどころか、
 朝から失敗続きで、
 1日中、ハラハラドキドキしっぱなしです。
 
 でも結果的に、
 こうして全ての交通機関をクリア出来た、
 というのも、私たちの実力です。
 
 これらの行程の失敗全てを含めて、
 フィヨルド観光のアトラクション
 だったのかもしれません。
 
 フィヨルド観光は、
 車に座っているだけでは、行けません。
 自分で交通機関に乗れないなら、
 添乗員をつけるしかありません。
 
 しかし、添乗員付きツアーは、高額で、
 定員に達した時にしか、催行されないのでしょう。
 添乗員付きの日本人は、1人もいませんでした。
 皆、2人組で、静かで、落ち着いて、
 全てを理解しているふうでした。
 
 フィヨルドとかオーロラを見に行く、というのは、
 話に聞くようには、簡単ではありません。
 英語力や計画性、
 地図や資料を読み込むこと、
 そして何より、体力が必要だ、
 と思い知りました。
 
 

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